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標準ライブラリディレクトリ (デフォルトでは `/usr/local/lib/asir') には
いくつかのユーザ定義函数ファイルがおかれている. これらのうちの主なものについて
説明する.
- `fff'
-
大標数素体および標数 2 の有限体上の一変数多項式因数分解 (See section 有限体に関する演算.)
- `gr'
-
グレブナ基底計算パッケージ. (See section グレブナ基底の計算.)
- `sp'
-
代数的数の演算および因数分解, 最小分解体. (See section 代数的数に関する演算.)
- `alpi'
-
- `bgk'
-
- `cyclic'
-
- `katsura'
-
- `kimura'
-
グレブナ基底計算において, ベンチマークその他で用いられる例.
(See section
katsura , hkatsura , cyclic , hcyclic .)
- `defs.h'
-
いくつかのマクロ定義. (See section プリプロセッサ.)
- `fctrtest'
-
整数上の多項式の因数分解のテスト. REDUCE の `factor.tst' および
重複度の大きいいくつかの例を含む. これは,
load() すると
直ちに計算が始まる. 入手した Asir が正しく動作しているかの
テストにも使うことができる.
- `fctrdata'
-
`fctrtest' で使われている例を含む, 因数分解テスト用の例.
Alg[] に収められている例は, af() (section asq , af , af_noalg ) 用の例である.
[45] load("sp")$
[84] load("fctrdata")$
[175] cputime(1)$
0msec
[176] Alg[5];
x^9-15*x^6-87*x^3-125
0msec
[177] af(Alg[5],[newalg(Alg[5])]);
[[1,1],[75*x^2+(10*#0^7-175*#0^4-470*#0)*x+(3*#0^8-45*#0^5-261*#0^2),1],
[75*x^2+(-10*#0^7+175*#0^4+395*#0)*x+(3*#0^8-45*#0^5-261*#0^2),1],
[25*x^2+(25*#0)*x+(#0^8-15*#0^5-87*#0^2),1],[x^2+(#0)*x+(#0^2),1],
[x+(-#0),1]]
3.600sec + gc : 1.040sec
- `ifplot'
-
描画 (section
ifplot , conplot , plot , polarplot , plotover ) のための例. IS[] には有名な
曲線の例, 変数 H, D, C, S にはトランプのハート, ダイヤ, クラブ,
スペード (らしき) 曲線の例が入っている.
- `num'
-
数に関する簡単な演算函数の例.
- `mat'
-
行列に関する簡単な演算函数の例.
- `ratint'
-
有理函数の不定積分. `sp', `gr' が必要.
ratint() という
函数が定義されているが, その返す結果はやや複雑である. 例で説明する.
[0] load("gr")$
[45] load("sp")$
[84] load("ratint")$
[102] ratint(x^6/(x^5+x+1),x);
[1/2*x^2,
[[(#2)*log(-140*x+(-2737*#2^2+552*#2-131)),161*t#2^3-23*t#2^2+15*t#2-1],
[(#1)*log(-5*x+(-21*#1-4)),21*t#1^2+3*t#1+1]]]
この例では, x^6/(x^5+x+1) の不定積分の計算を行っている.
結果は 2 つの要素からなるリストで, 第 1 要素は不定積分の有理部分,
第 2 要素は対数部分を表す. 対数部分は更にリストとなっていて, 各要素は,
[root*log(poly),defpoly] という形をしている. これは, 不定積分に
おいては, defpoly の全ての根 root に対して root*log(poly)
を作りそれらを足し合わせるという意味である. ここで poly は
root を含んでいて, root を入れ替える場合には poly
に対しても同じ操作を行うものとする. この操作を, 結果の第 2 要素の
各成分に対して行って, 全てを足し合わせたものが対数部分となる.
- `primdec'
-
多項式イデアルの準素イデアル分解とその根基の素イデアル分解
(see section
primadec , primedec ).
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