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LXXXIPostgreSQL 関数

導入

PostgreSQLデータベースはオープンソースのプロダクツであり、無料で 使用可能できます。Postgresは元々UCB(カリフォルニア大学バークレイ校) コンピュータ・サイエンス学部で開発されたものです。このPostgresは、 現在、いくつかの商用データベースにおいてサポートされつつあるオブジェク トリレーショナルデータベース的概念の多くの先駆けでした。 Postgresは、SQL92/SQL3言語サポート、トランザクションインテグリティ、 拡張可能な型を提供しています。PostgreSQLは、Postgresのオリジナルの バークレイ・コードのオープンソースの子孫にあたります。

要件

PostgreSQLサポートを使用するには、PostgreSQL 6.5以降が必要です。 PostgreSQL 7.0以降ではPostgreSQLモジュールの全ての機能を使用可能 です。PostgreSQLは、マルチバイト文字エンコーディングを含む多くの 文字エンコーディングをサポートしています。現在のバージョン及び PostgreSQLに関するより詳細な情報は、www.postgresqlL.orgで入手可能です。

インストール手順

PostgreSQLサポートを利用可能とするには、PHPコンパイル時に --with-pgsql[=DIR] を指定することが必要です。 共有オブジェクトモジュールが利用可能な場合、php.iniextension ディレクティブ または dl() 関数によりPostgreSQLモジュール をロードすることが可能です。

実行用の設定

サポートされるini命令は、配布ソースに付属する php.ini-distファイルに記述されています。

使用法およびヒント

警告

通知メッセージを処理するコードにバグがあるため、PHP 4.0.6で PostgreSQLモジュールを使用することは推奨されません。 4.1.0以降を使用してください。

警告

PostgreSQLモジュールの関数名は、現在のコーディング標準に準拠する ために 4.2.0以降変更されます。新しい関数名の多くには、 pg_lo_open()のようにアンダースコアが付きます。 いくつかの関数は、pg_exec()からpg_query()というように、統一を とるために関数名が変更されます。 古い名前も4.2.0とそれに続くいくつかのバージョンで使用可能ですが、 将来的には削除される可能性があります。

表 1変更された関数名

古い関数名新しい関数名
pg_exec()pg_query()
pg_getlastoid()pg_last_oid()
pg_cmdtuples()pg_affected_rows()
pg_numrows()pg_num_rows()
pg_numfields()pg_num_fields()
pg_fieldname()pg_field_name()
pg_fieldsize()pg_field_size()
pg_fieldnum()pg_field_num()
pg_fieldprtlen()pg_field_prtlen()
pg_fieldisnull()pg_field_is_null()
pg_freeresult()pg_free_result()
pg_result()pg_fetch_result()
pg_loreadall()pg_lo_read_all()
pg_locreate()pg_lo_create()
pg_lounlink()pg_lo_unlink()
pg_loopen()pg_lo_open()
pg_loclose()pg_lo_close()
pg_loread()pg_lo_read()
pg_lowrite()pg_lo_write()
pg_loimport()pg_lo_import()
pg_loexport()pg_lo_export()

従来のpg_connect()/pg_pconnect() 構文は、将来的に非同期接続 機能をサポートするために過去のものとなる可能性があります。 pg_connect()pg_pconnect() では、接続文字列を使用してください。

全ての関数が全ての構築環境でサポートされるわけではありません。サポー トされる関数は、使用するlibpq(PostgreSQLのCクライアントインターフェ イス)のバージョンとlibpqのコンパイル方法に依存します。足りない関数 がある場合、libpqはその関数を必要とする機能をサポートしません。

接続するPostgreSQLサーバーよりも新しいlibpqを使用することも重要で す。使用するlibpqのバージョンがPostgreSQLサーバが期待するよりも古 い場合、問題を生じる可能性があります。

バージョン6.3(1998/3/2)以降、PostgreSQLはUNIXドメインソケットを 使用しています。これらの新しいコネクションの使用例を以下に示す表に 示します。このソケットは/tmp/.s.PGSQL.5432にあります。 このオプションはpostmasterに対して'-i'フラグを 指定することで有効となります。これは "Unixドメインソケット以外のTCP/IP ソケットもlisten する"という意味です。

表 2postmasterとPHP

postmasterPHPステータス
postmaster &pg_connect("dbname=MyDbName");OK
postmaster -i &pg_connect("dbname=MyDbName");OK
postmaster &pg_connect("host=localhost dbname=MyDbName"); Unable to connect to PostgreSQL server: connectDB() failed: Is the postmaster running and accepting TCP/IP (with -i) connection at 'localhost' on port '5432'? in /path/to/file.php3 on line 20.
postmaster -i &pg_connect("host=localhost dbname=MyDbName");OK

PostgreSQL サーバへの接続は、以下のようにコマンド文字列の中に 値の組を羅列することにより、確立することができます。 $conn = pg_Connect("host=myHost port=myPort tty=myTTY options=myOptions dbname=myDB user=myUser password=myPassword");

以前の構文: $conn = pg_connect ("host", "port", "options", "tty", "dbname") は古い構文であり、推奨されません。

環境変数は、PostgreSQLサーバ/クライアントの動作に影響を与えます。 例えば、PostgreSQLモジュールは、ホスト名が接続文字列で省略された場 合、環境変数PGHOSTを探します。サポートされる環境変数は、バージョン 毎に異なります。詳細は、PostgreSQLプログラマ用マニュアル(libpq - 環境変数)を参照下さい。

適切なユーザ用に環境変数が設定されていることを確認して下さい。 カレントのプロセスで利用可能な環境変数を確認するには、 $_ENV または getenv() を使用して下さい。

例 1デフォルトのパラメータを設定する

PGHOST=pgsql.example.com
PGPORT=7890
PGDATABASE=web-system
PGUSER=web-user
PGPASSWORD=secret
PGDATESTYLE=ISO
PGTZ=JST
PGCLIENTENCODING=EUC-JP

export PGHOST PGPORT PGDATABASE PGUSER PGPASSWORD PGDATESTYLE PGTZ PGCLIENTENCODING

定義済みの定数

これらの定数は、この拡張モジュールで定義されており、 この拡張モジュールがPHP内部にコンパイルされているか実行時に動的にロー ドされるかのどちらかの場合のみ使用可能です。

PGSQL_ASSOC (integer)

PGSQL_NUM (integer)

PGSQL_BOTH (integer)

PGSQL_CONNECTION_BAD (integer)

PGSQL_CONNECTION_OK (integer)

PGSQL_SEEK_SET (integer)

PGSQL_SEEK_CUR (integer)

PGSQL_SEEK_END (integer)

PGSQL_ESCAPE_STRING (integer)

PGSQL_ESCAPE_BYTEA (integer)

PGSQL_EMPTY_QUERY (integer)

PGSQL_COMMAND_OK (integer)

PGSQL_TUPLES_OK (integer)

PGSQL_COPY_OUT (integer)

PGSQL_COPY_IN (integer)

PGSQL_BAD_RESPONSE (integer)

PGSQL_NONFATAL_ERROR (integer)

PGSQL_FATAL_ERROR (integer)

PostgreSQL 7.1.0から、textデータ型の最大サイズは1GBとなっています。 古いPostgreSQLのtextデータ型はブロックサイズ(デフォルトは8KB、最大 32KBをコンパイル時に定義可能)の制限を受けていました。

ラージオブジェクト(lo)インターフェースを使用するには、そのクエリーを トランザクション・ブロックの中に入れてやる必要があります。 トランザクション・ブロックはBEGINで始まり、 そのトランザクションが有効な場合はCOMMITまたは ENDで終わります。トランザクションが失敗した場合、 そのトランザクションはROLLBACKまたは ABORTにより閉じる必要があります。

例 2ラージオブジェクトの使用例

<?php
   $database = pg_connect ("dbname=jacarta");
    pg_exec ($database, "begin");
    $oid = pg_locreate ($database);
    echo ("$oid\n");
    $handle = pg_loopen ($database, $oid, "w");
    echo ("$handle\n");
    pg_lowrite ($handle, "large object data");
    pg_loclose ($handle);
    pg_exec ($database, "commit");
?>
ラージオブジェクトリソースを閉じる前に接続リソースを閉じないように して下さい。

目次
pg_affected_rows -- 変更されたレコード(タプル)の数を返す
pg_cancel_query --  非同期クエリを取り消す
pg_client_encoding --  PostgreSQLクライアントのエンコーディングを取得する
pg_close -- PostgreSQL接続を閉じる
pg_connect -- PostgreSQL接続を開く
pg_connection_busy --  接続がビジーかどうか調べる
pg_connection_reset --  接続をリセット(再接続)する
pg_connection_status --  接続ステータスを取得する
pg_convert --  SQL命令として実行可能な形式の連想配列の値に変換する
pg_copy_from --  配列からテーブルをコピーする
pg_copy_to --  配列にテーブルをコピーする
pg_dbname -- データベース名の取得
pg_delete --  Delete records.
pg_end_copy -- PostgreSQLバックエンドに同期する
pg_escape_bytea --  bytea型にバイナリをエスケープする
pg_escape_string --  テキスト/文字型用の文字列をエスケープする
pg_fetch_all -- Fetch a row as an array
pg_fetch_array -- 行を配列として取得する
pg_fetch_assoc -- Fetch a row as an array
pg_fetch_object -- 行をオブジェクトとして得る
pg_fetch_result -- 結果リソースから値を返す
pg_fetch_row -- 数字をインデックスとする配列として行を得る
pg_field_is_null -- フィールドがNULLかどうか調べる
pg_field_name -- フィールドの名前を返す
pg_field_num -- Returns the field number of the named field
pg_field_prtlen -- 表示される長さを返す
pg_field_size --  指定したフィールドの内部記憶領域におけるサイズを返す
pg_field_type --  フィールド番号に対応する型名を返す
pg_free_result -- メモリを開放する
pg_get_notify -- Ping database connection
pg_get_pid -- Ping database connection
pg_get_result --  非同期クエリの結果を取得する
pg_host -- ホスト名を返す
pg_insert --  テーブルに配列を挿入する
pg_last_error -- 特定の接続から直近のエラーメッセージ文字列を取得する
pg_last_notice --  PostgreSQLサーバからの直近の通知メッセージを返す
pg_last_oid -- 直近のオブジェクトIDを返す
pg_lo_close -- ラージオブジェクトをクローズする
pg_lo_create -- ラージオブジェクトを生成する
pg_lo_export -- ラージオブジェクトをファイルにエクスポートする
pg_lo_import -- ファイルからラージオブジェクトをインポートする
pg_lo_open -- ラージオブジェクトをオープンする
pg_lo_read_all --  ラージオブジェクト全体を読み込みブラウザに直接送信する
pg_lo_read -- ラージオブジェクトを読み込む
pg_lo_seek --  ラージオブジェクトの位置をシークする
pg_lo_tell --  ラージオブジェクトのカレントの位置を返す
pg_lo_unlink -- ラージオブジェクトを削除する
pg_lo_write -- ラージオブジェクトを書く
pg_meta_data --  Get meta data for table.
pg_num_fields -- フィールド数を返す
pg_num_rows -- 行数を返す
pg_options -- 接続に関連するオプションを取得する
pg_pconnect -- 持続的なデータベース接続をオープンする
pg_ping -- Ping database connection
pg_port -- 接続に関連するポート番号を返す
pg_put_line --  NULLで終る文字列をPostgreSQLバックエンドに送信する
pg_query -- クエリを実行する
pg_result_error --  結果に関連するエラーメッセージを取得する
pg_result_seek -- Set internal row offset in result resource
pg_result_status --  クエリ結果のステータスを取得する
pg_select --  レコードを選択する
pg_send_query --  非同期クエリを送信する
pg_set_client_encoding --  PostgreSQLクライアントのエンコーディングを設定する
pg_trace -- PostgreSQLサーバーへの接続をトレースする
pg_tty -- tty名を返す
pg_unescape_bytea --  Escape binary for bytea type
pg_untrace --  PostgreSQLサーバーへの接続のトレースを無効にする
pg_update --  テーブルを更新する